| Title: 弦楽器工房を訪ねて ダニエルバイオリン池袋店 |
| Name: サラサーテ Vol21 |
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Date: 2008-03-12 15:37:34 |
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弦楽器工房を
訪ねて
第12回
ダニエルバイオリン池袋店
（リード 19wx5l）
1997年にノルウェーから来日して名古屋で工房を開き、2007年には東京店もオープン。確かな調整技術と弓の品揃えで、国内外の弦楽器奏者から大きな信頼を集めている。
（クレジット）
取材・文／渡辺裕子
写真／編集部
（本文 16WX75L、小見出し本文３L取り）
その弓に最も合った毛替えを施し
弾きやすさ、使いやすさを追求
ダニエル・チェンはノルウェーでヴァイオリン演奏・製作を学び、若い頃はヴァイオリニストとして活躍した経歴の持ち主。約10年前からは名古屋で工房を構え、豊富な演奏経験をバックグラウンドに、現在はメンテナンスとセットアップ全般を主に手がけている。東京店は、まだオープンして１年あまりだが、東京音大からほど近いということもあり、音楽大学の学生や音大関係者、プロの演奏家が足しげく訪れる。
ダニエルが特にこだわっているのが毛替え。ヴァイオリン・ヴィオラは一律６０００円、チェロは一律７０００円で、モンゴル、カナダ、シベリアなど各地の特徴ある馬の毛を揃え、楽器との相性、現在勉強している曲、本人の奏法まで加味して、その時点で最もふさわしい毛質のものを選んで使用している。
「もちろん私自身が必ず一度は自分で試してみてからおすすめしています。私は自分自身が演奏家だったので、弾く人の気持ちが手に取るようにわかる。そこは誰にも負けない自信があります」
とダニエル。弓そのものにもこだわり、工房にはオリジナルの弓が多数並んでいる。
「ヨーロッパ製の弓は、ヨーロッパ人の腕の長さが基準となるバランスで作られているので、小柄で腕の短いアジア人向けではないのです。私の弓はその点を考慮し、アジア人の手の長さに重心の位置を合わせているので弾きやすいのです」
ダニエルいわく、「楽器の弾ける楽器製作者は少なくないが、楽器の弾ける弓製作者は非常に少ない」。そんな彼の弓は弾きやすい上に値段も良心的で、プロの演奏家にも愛用者が多いそうだ。
楽器と弓は相性が大切
本人の弾き方から総合的に判断
「夫婦だって、強い性格同士だとケンカになってしまいますよね？ 楽器と弓も同じ。強いもの同士を合わせるのではなく、お互いに逆の部分を補いあうことも大切なんですよ」
とちゃめっ気たっぷりに話を続けるダニエル。足を運んだ人には、まずその場で楽器を弾いてもらい、その弾き方はもちろん、店に来た時の話しぶりなどから性格まで考慮し、その人に最もふさわしい楽器と弓との相性についてアドバイスしている。
「どんな演奏者でも楽器と弓との相性はとても気にしていますが、実際にはなかなかわからないものだし、同じ組み合わせでも弾く人によって全然相性は異なるものなのです。もちろん値段の高さと弾きやすさも必ずしも比例しません。どんなことでもぜひ相談してください」
元演奏家だったからこそ、演奏する人にとって一番弾きやすいコンディションづくりには絶対の自信を持つダニエル。楽器本来の音を出す音調整は１万円で、調整後３か月に一度、無料チェックのサービスを実施している。
（ダニエルPHCAP）
「日本は弦楽器人口が多く、マーケットも大きいので、これからは修理と調整の技術者がますますたくさん必要になるでしょうね」
（製品CAP）
ヴァイオリンサイズで最低弦にC線を張った5弦の楽器、肩当て1万円、松脂1200円もダニエルのオリジナル
（作業台PHCAP）
ダニエル製作の新作楽器は160万～、弓は40万～
（データ）
ダニエルバイオリン 池袋店
営業時間／予約制、必ず電話後に来店のこと
定休日／不定休
住所／東京都豊島区南池袋2-13-10 2階
最寄り駅／JRほか池袋駅東口より徒歩５分
tel.＆fax.03-5396-3808
e-mail／danielviolins@hotmail.com
http://www.danielviolins.com
名古屋伏見店（営業時間・定休日は池袋店と同じ）
住所／愛知県名古屋市中区栄2-1-12 ダイアパレス伏見11階
tel.＆fax.052-232-3392
e-mail／dc9@mb.infoweb.ne.jp
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