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上一篇: 営業・事務・アルバイト・弟子を募集します      下一篇: 07年3月31日から名古屋伏見店にいる予定です。
Title: ピアノ、他音楽の先生と生徒募集中
Name: Daniel  Violins Reply: 2 Date: 2007-03-19 17:54:58 Email: Homepage:
当店の名古屋音楽教室開講に伴い、ホームコンサートルームと寮建築中。

ピアノ、他音楽の先生と生徒募集中。

052    232    3392 
090    2688    1510 
danielviolins@hotmail.com 

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http://www.danielviolins.com/piano

Reply: Re:ピアノ、他音楽の先生と生徒募集中
Name: Daniel  Violins Date: 2007-03-25 11:11:43 Email: Homepage:
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Steinway  in  my  Tokyo  house



CF3  Full  Concert  Size  in  my  Nagoya  house


Reply: My  Piano  Dream
Name: Daniel Date: 2007-04-12 08:53:19 Email: Homepage:
My  Piano  Dream

バイオリン店を営む元バイオリニストの私は、なぜか世界の最高級品Steinway  &  Sonsのグランドピアノを1台持っている。私が来日後1~2年して買ったものだ。その頃の私は、一軒の古い家を借りてバイオリンの店を開業したばかり。金銭的にはまったく余裕がなく、借家にグランドピアノを置くようなスペースもなかった。そんな状態で、後先も考えずに800万円ものピアノを買ったとは、我ながらまるでcrazyである。

寝室はピアノに占領され、そのピアノとの二人(?)暮らしが1年程続いた後、新しい店をマンションの一室にオープン。同時にピアノ専用にもう一室購入し、全面防音工事を施した。それから数年経った今、自宅の前にもう一軒三階建を新築中だが、二階に40畳のサロンをこのピアノのために設ける予定だ。

これほどまでにこのピアノに思い入れのある私だが、実はピアノは全く弾けない。だから、私のピアノが使われる事といえば、せいぜい年に1回の名古屋国際音楽コンクールの時期に参加者のピアニスト達が練習に来るぐらいだ。

なぜ私がそんなにこのピアノを愛しているのか、私の子供の頃の思い出話をお聞かせしたいと思う。


あれは私が小学校2年の時。

ある日、とある楽器店の前を通りかかると、その店のショーウィンドウから1台のグランドピアノが見えた。ピアノの前には白いレースのワンピースを身にまとった、まるで貴婦人のようなきれいな女性が座っていた。その光景は、映画のワンシーンや絵画の世界。

子供の私はガラス越しに夢中になって中を覗いていた。鼻がガラスに押しつぶされてぺちゃんこになっていた。どれぐらいの時間そうして中を見ていたのだろうか。ふと横を見るともう一人同じように鼻をガラスに押しあてている子がいた。同じぐらいの年の女の子だった。その子とはこれがきっかけで友達になった。

彼女の名前はイサベラ。ユダヤ系の、とてもピアノが好きな女の子だった。彼女の家はピアノを買う余裕がなかったので、学校にあったボロボロのピアノで毎日練習していたそうだ。私と彼女は違う学校に通っていて、出会った楽器店は丁度その中間に位置するところにあった。それ以来、二人が会う場所はこの楽器店の前となった。

いつものように待ち合わせをしたある日、その店の店主が客の見送りに外に出てきたことがあった。私は瞬時にイサベラの手をつかんで店の中に入り、彼女を背の高いピアノ椅子の上に抱き上げてあげた。

「ピアノ、弾いて!弾いて!チャンスだよ!!」

イサベラは戸惑いながらも右手を伸ばし、一本の指でポーンと鍵盤を叩いた。その音があまりに軽快な音だったから、二人ともびっくりして一瞬お互いの顔を見合わせ、そしてせきを切ったように4つの手ででたらめに弾き始めた。そこへ、チリンチリン・・・。店主が戻ってきた。

びっくりして椅子からすべり落ちたイサベラを助け起こそうとしたその時、店主が雑巾を持った手で私の耳を引っ張り上げ、私はそのまま外に放りだされた。まるでばい菌にでも触るかのようにだ。

「汚らわしい手で気高く上品なピアノに触るなんて、二度と来るんじゃない!」

引っ張られた耳の痛みはそっちのけで、先に店を出ていったイサベラの後を追い、泣いてる彼女を懸命に慰めた。

「大丈夫だから、泣かないでイサベラ。」

私は道端に落ちていた板切れを拾い、スクールバッグにあった水彩絵の具でピアノのキーボードを描いてあげた。白が足りなくていろいろな色の鍵盤の絵をイサベラは喜んでくれた。

「大きくなったら、いつか僕が最高級のグランドピアノをプレゼントするから!」

私は彼女に約束した。

それ以来、私は二度とあの楽器店の店には行かなかった。もちろんイサベラにも会うことはなかった。

十数年後、風のうわさでイサベラはパリ音楽学院でピアノを学び、国際コンクールで受賞し、その後自分の先生と結婚したということを知った。

時は流れ、子供の頃の約束は次第にぼやけていった。

………………………………………………………………………………………….

日本に来て1年半が過ぎた頃、友人が中古ピアノを買うのに車が必要だというので、ピアノ店に付き合ってあげたことがあった。

店で友人が安い中古ピアノを探す間、暇な私はSteinway  &  Sonsのピアノが置いてあるあたりをぶらついていた。小さい頃の思い出を懐かしく想いながら、右手の人差し指で端のSteinway&Sonsから一台ずつ音を出していった。

1台目、2台目、3台目・・・そして9台目をポーンと弾いた時、思わず手が止まった。遠い昔のあの時の感触、そして妖艶な音。まさしく運命の出会いだった。一目惚れ以外の何物でもなかった。

そこには全部で13台のSteinway&Sons製グランドピアノがあったが、残りの4台は触ることはなかった。私は興奮して友人を呼び、そのピアノでいろいろな曲を弾いてもらった。と、そこへ店主が奥から出てきた。表情はとても柔和で礼儀正しいが、私達に発せられた言葉は警告に近かいものがあった。

「この辺のピアノは触らない方がよいかと存じます。
とても高価なものですから……。」

ちなみに店主の手にはクロスが握られていた。店主の顔色もだが、特に彼の手にした布切れは、私の少年時代に楽器店で耳を雑巾でつまみ上げられた時の苦い記憶を呼び起こし、私に無謀とも言える瞬時の決心をさせるに至った。

「このピアノ頂きます。」

店主が完全に言い終える前に、私ははっきりと落ち着いた口調で告げた。値段も、そして置くスペースも考えることなしにであった。

家に帰り、2階の寝室の大きなダブルベッドを出して、代わりにグランドピアノを運び入れた。そして妻は実家に帰って行った。その日から永遠に。

それから数年、私も私のピアノも、私達を愛してくれる素敵な人をずっと待っている。私達と同じ夢を共に実現してくれる女性、いつかきっと現れる・・・のかな?

Daniel  Chen


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